仏教と保育

本園は仏教保育を主体としております。「仏教保育」は、決して特定の宗派の信仰を目的とするものではなく、お経を覚えたり、仏教の知識を特別に与えたりするものでもありません。仏教の教えを通じて、感情や情緒を育み、子ども達が「人」として生きていく上で最も大切な、生命尊重、慈悲心、感謝の心、正しい道徳性(モラル)の芽生えを育てる保育です。

仏教保育の環境

園舎

玄関には白象とお釈迦さまの誕生仏が祀られており、子ども達が一同に会するホールには薬師如来が祀られております。各保育室には伝教大師最澄さまの幼形像の絵が掲げられ、子ども達はお数珠を持って朝の挨拶を行います。

園庭、境内

「ののさま」像が、園庭の子ども達を見守っています。広い境内には寺院建造物が身近にあり、トンボやカエルなどが生息する池や、四季の変化を感じさせる草木が多く植えられています。

仏教を通しての保育

生命尊重の保育

慈しみ(思いやり)の心を育て、いのちを大切にする保育を目指します。幼児期における真の教育は情緒=心を育てることです。自分にかけがえのない命が一つしかないように、自部以外の人や草木、犬や猫にもやはり命は一つしかないのです。毎日の保育を通して命の重みを体験し、小・中学校と成長する過程で自然や小動物への優しさ、他人への思いやり、友達との協調性が身につくことを願っています。

共同自立、自主的精神の芽生えの保育

主体的自己を大切にする保育を目指します。保育者は子どものやる気を育て、みずみずしい感性や心情を損なわないような保育を行います。友達の喜びや悲しみを共に感じること、生きる喜びや成長する喜びを実感することを通して、積極的に生きる子どもを育んでいます。

正しい言葉遣いと努力する心をはぐくむ保育

人と人とのコミュニケーションで重要なものの一つには言葉があります。幼児期には著しい言葉の発達が見られます。言葉の持つエネルギーを感じながら、正しい言葉遣いを身につけていき、仲間との心のつながりを深めます。また仏様を拝む姿勢で、弱い心に負けないで、絶えず努力する力を育てていきます。

よき社会人をつくる保育

お釈迦様は人の貴賎はその人の生まれではなく、日常の行いによるものとされています。人はつとめ、励むことによって真の素晴らしい人になるのです。そのような思想から仏教保育では、園児・保育者・園長また保護者の方も共に学びあう仲間と考えています。このような園の環境の中で、園児がお当番や種々の役割を担い、何事も嫌がらず自発的に行動するような子どもとなることを目指しています。